データマネジメント・ラジオは、リスナーさんからのお便りや質問にお答えるする形式で、毎週月曜日にお届けしています。#6の番組のお便りはこちら
毎回ふむふむと聞かせていただいています。
私はDXを推進する立場ですが、システム導入の際のデータマネジメントに困っています。システムを導入する製造部門はデータの仕組みについてあまり理解がなく、情報システム部門はシステム導入に関わるハード部分しか関心を持ちません。
結果としてデータの品質維持に関わることをDX部門で対応しようとしますが、両部門からは余計な手間を増やさないでほしいと板挟みにあいます。どのようにしてプロジェクト内でデータマネジメントの意識を上げていけばよいでしょうか? アドバイスをいただけますとありがたいです。放送を楽しみにしています。ラジオネーム 「OKYN」さんより
この質問への回答は、本番組の準レギュラーのデータ総研 常務取締役 小川さん。
ラジオネーム「OKYN」さんの質問に対して、小川さんは、システム導入時のデータマネジメントに関する問題の解決策を提供しています。彼のアドバイスでは、まず最初に「データの重要性をプロジェクト初期に全体に共有すること」が鍵だとされています。製造部門や情報システム部門がデータ管理に関して無関心な場合、最初の段階でデータの品質がシステム導入の成功に直結することを明確にすることが重要です。システムの効果を最大化するためには、関係者全員がデータの質を高く保つ必要があることを理解させる必要があるという点を小川さんは強調しています。
具体的には、プロジェクトの要件定義段階でデータマネジメントを議論の中心に据えることが効果的だとしています。データ管理がどのようにシステム導入の結果に影響を与えるのか、製造部門や情報システム部門が理解できるように、具体的なリスクやデータ品質が低下した場合の影響を明確に示す必要があります。このようにして、データの管理が単なる追加の負担ではなく、プロジェクトの成功を左右する重要な要素であることを部門に伝えます。
また、データ管理に関する責任を各部門に割り振ることも重要です。これは、データマネジメントを特定の部門(DX部門など)のみに任せるのではなく、製造部門や情報システム部門もデータの品質維持に積極的に関与することを促すためです。各部門がデータ管理の責任を共有することで、協力体制が強化され、データの質を維持するための意識が高まると小川さんは述べています。教育やトレーニングを通じてデータの重要性をさらに深く理解させ、データマネジメントのための知識を各部門に浸透させることも推奨されています。
さらに、データ活用の成果を可視化することが効果的なアプローチです。システム導入後に得られた具体的な成果や改善点を関係者に示すことで、データマネジメントがどれほど重要であるかを実感させることができます。この「成果の見える化」によって、データ管理に対する取り組みが単なる手間ではなく、実際に価値を生み出すものであるという認識を広げられます。
最後に、小川さんは「DX部門が孤立せず、全社的な協力を得ること」がプロジェクトの成功に不可欠だと述べています。データマネジメントがDX部門だけの責任として捉えられると、負担が過剰になり、全体のパフォーマンスが低下する可能性があるため、他部門との対話と協力体制が重要です。全社的な協力を得ることで、板挟みの状況を回避し、より円滑にプロジェクトを進められるようになります。
要するに、システム導入時のデータマネジメントにおける意識を高めるためには、各部門がデータの重要性を理解し、協力体制を築くことが重要です。データの品質維持がプロジェクトの成功を左右するため、その意識を共有することで、よりスムーズな導入が可能になると小川さんは助言しています。
小川さんの生声は、ラジオを聞いてください~。質問と小川さんの回答は番組の後半です。
前半のオープニングは、データマネジメント実務家・よしむらさんが着ていたドット柄のマリオのTシャツから、任天堂の「テトリス・グランドマスター」の話題で盛り上がってます。前半も面白いので、ぜひ聞いてみて。
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